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2008 年度 実績報告書

ラット大脳多電極同時記録から得た集団神経活動による睡眠相変遷ダイナミクスの解明

研究課題

研究課題/領域番号 19700284
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

姜 時友  独立行政法人理化学研究所, 脳回路機能理論研究チーム, 研究員 (40415138)

キーワード無麻酔ラット / ノマルチユニット同時記録 / テトロード記録 / 睡眠 / 高次スパイク統計 / 大脳新皮質 / 海馬 / アップダウン状態
研究概要

睡眠研究に対する関心は年々高まっており、睡眠と関連した電気生理学においては伝統的にヒト脳波や実験動物の局所電場電位、特に振動の特定周波数成分の変化によって覚醒・睡眠状態を分類するという立場が主にとられてきた。しかし近年の電気生理記録技術のめざましい発展によって、無麻酔下においても局所集合電位だけでなく個別神経細胞集団の発火活動を同時に計測することが可能になってきた。研究代表者が所属する研究室においては、電気生理記録に始まり、高精度のスパイク分離アルゴリズムの開発とデータ解析に至るまで、マルチユニット同時記録から得られる知見から局所回路の理解を目指す研究に包括的に取り組んでいる。本研究課題においては、睡眠・覚醒を繰り返す無麻酔ラットの新皮質および海馬からテトロード電極を用いた多細胞同時記録を数時間にわたって行い、筋電図計測およびビデオモニタリングによって睡眠・覚醒状態を分類し、各状態における脳波と神経発火活動の比較を行った。具体的には、テンプレートマッチング法によって集団発火活動を定量化し、海馬の鋭波リップル生起と関連して新皮質神経活動の高次相関がどのような影響を受けるのかを調べた。その結果、新皮質スパイクの特定時空間パターンの再起性は海馬鋭波リップルの影響を受け、それらを通じた新皮質-海馬相互作用の存在が示された。また、そのような相互作用は脳の覚醒状態に依存して変化を示すことを明らかにした。これらの結果を、睡眠・覚醒の変遷を集団神経発火活動のダイナミクスによってとらえた研究として学会発表を行った。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Formation of Cortical Cell Assemblies: Synaptic Plasticity and Beyond2008

    • 著者名/発表者名
      Tomoki Fukai, et al.
    • 雑誌名

      Brain and Nerve(Review) 60

      ページ: 763-70

  • [学会発表] 大脳皮質神経回路の自己組織化における調整因子としての抑制回路の解明2008

    • 著者名/発表者名
      姜時友
    • 学会等名
      平成20年度特定領域研究「統合脳」冬のシンポジウム
    • 発表場所
      学術総合センター
    • 年月日
      20081212-14
  • [学会発表] Multi-neuronal dynamics in rat neocortex and hippocampus during natural sleep2008

    • 著者名/発表者名
      Siu Kane, et al.
    • 学会等名
      窮31回日本神経科学大会
    • 発表場所
      東京国際フォーラム
    • 年月日
      20080709-11
  • [学会発表] An accurate spike sorting algorithm and implementation to analyze higher order spike statistics2008

    • 著者名/発表者名
      Takashi Takekawa, et al.
    • 学会等名
      第31回日本神経科学大会
    • 発表場所
      東京国際フォーラム
    • 年月日
      20080709-11

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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