神経突起伸長は神経回路形成に重要な過程であり、エクソサイトーシスによる細胞膜面積の増大により達成されると仮定されている。一方、突起伸長の抑制は間違った標的とシナプス形成しないために必須な過程であるが、これはエクソサイトーシスの抑制により達成されると信じられている。しかし、申請者は神経突起伸長の抑制がエクソサイトーシスの抑制ではなく、マクロピノサイトーシスという特殊なエンドサイトーシスによる細胞膜の大規模な細胞内への回収により達成されるという、今までの概念を覆す発見をした。しかも、神経回路形成に重要であるカルシウムや反発性ガイダンス分子がマクロピノサイトーシスを誘導することで突起伸長を抑制している事を明らかにした。本研究ではそのマクロピノサイトーシスによる新規な神経回路形成機構を明らかにすることを目的とする。
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