本研究ではアマ棋士を対象にして、将棋局面の認知、記憶、思考の脳メカニズムが、習熟度の違いによりどのように異なるかを主にfMRIを用いて調べる。本年度は、fMRIを用いて、アマ上級者で、直観で次の一手を決めている間、fMRIで脳の活動を調べた。 将棋問題(詰将棋か必至問題)を短時間で提示した。被験者にはこの短い時間に最も有利な初手を見つけるように指示した。その後、複数選択肢を示した。被験者は直感的な答えに合っていたオプションを選択することによって、思いついた初手を報告した。対照条件としては、相手の駒しか存在しない序盤の将棋パターン(次の一手があり得ない)を提示し、被験者は王の位置を答えた。アマ上級者17人(アマ2-4段)がこの実験を参加した。180問将棋問題の中に38.4%の答えが正しかった。プロ棋士よりはるかに低かった。直観で初手を見つけたときと対照条件(序盤将棋パターンの知覚)でのfMRI信号を比較したところ、有意な活動はどこにも見られなかった。しかしながら、プロ棋士で有意な活動を見つかった大脳基底核の部分に分析すると、アマチュアは自信が有った(または反応早かった)トライアルの活動のみが有意だった。 今年度のアマ上級者のfMRI直観実験から、プロ棋士に比較して、アマチュアの直観があまり出来ないで、直観は訓練が必要ことを確認した。
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