• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

虹彩由来網膜幹細胞を用いた網膜神経細胞の再生

研究課題

研究課題/領域番号 19700324
研究機関藤田保健衛生大学

研究代表者

山本 直樹  藤田保健衛生大学, 共同利用研究施設, 講師 (00267957)

キーワード虹彩組織細胞 / 網膜幹 / 前駆細胞 / 再生医療 / 網膜再生 / p75NGFR / CD271 / Nestin
研究概要

網膜幹/前駆細胞の作出源として虹彩組織細胞に注目し、虹彩組織の免疫組織染色を行ったところ、神経幹/前駆細胞マーカーの1つであるNestin陽性の細胞が存在し、その細胞は研究代表者の山本が注目しているNerve growth factor receptor p75(p75NGFR、CD271)を共発現していることを発見した。次に従来から神経系幹細胞の培養方法として知られているNeurosphere法で虹彩組織細胞を培養したところ、Sphereを形成した細胞はNestinとp75NGFRが陽性の細胞であった。しかし、虹彩由来細胞は、Neurosphere法では継代培養することができないことが分かった。そこで、接着培養法で培養した虹彩由来細胞をp75NGFRで分離し、レチノイン酸を用いて分化誘導することで、網膜神経細胞への分化誘導を検討したところ、視細胞、水平細胞、双極細胞などの細胞マーカー陽性の細胞に分化させることができた。しかし、これらの細胞は、分化誘導過程において一部の細胞が死滅してしまうこと、p75NGFRで分離した細胞は、ほとんど増殖させることができないことが分かった。そこで、現在、p75NGFRのパスウェイにおいて、アポトーシス経路ヘシフトすることを防ぐため、阻害剤による細胞死からのレスキューを検討している。今後、この細胞死からレスキューできるようになることで、より効率的な網膜神経細胞への分化誘導が可能になるため、今後も継続的な研究を行う。なお、虹彩由来細胞を網膜障害マウスの網膜組織に移植したところ、移植細胞の一部は神経様細胞の形態に分化し、網膜組織内で生着していた。一方、ヒト虹彩組織の培養とp75NGFRによる網膜幹/前駆細胞の分離に成功しており、一部の網膜神経細胞への分化誘導にも成功している。今後、ヒト虹彩組織を用いた網膜再生研究も平行して実施していく。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] A study of the proliferating activity in lens epithelium and the identification of tissue-type stem cells2008

    • 著者名/発表者名
      Yamamoto N., Majima K., Marunouchi T
    • 雑誌名

      Med Mol Morphol. 41(2)

      ページ: 83-91

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Differentiation of adipose-derived storomal vascular fraction culture cells into chondrocytes using the method of cell sorting with a mesenchymal stem cell marker2008

    • 著者名/発表者名
      Ishimura D., Yamamoto N., Tajima K., Yamamoto Y., Yamada H,. et.al.
    • 雑誌名

      Tohoku J Exp Med. 216(2)

      ページ: 149-156

    • 査読あり
  • [雑誌論文] An in vitro evaluation method to test ocular irritation using a human corneal epithelium model2008

    • 著者名/発表者名
      Arai S., Yamamoto N., Katoh M. and Kojima H.
    • 雑誌名

      AATEX 13(2)

      ページ: 83-90

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Function and localization of micro-tubules in the lens2008

    • 著者名/発表者名
      Sawano M., Imai T., Oka M., Yamamoto N., Takehana M., et.al.
    • 雑誌名

      J Jap Soc Cat Res. 20(2)

      ページ: 52-57

    • 査読あり
  • [学会発表] マウス虹彩由来培養細胞を用いた網膜再生の可能性2008

    • 著者名/発表者名
      山本直樹, 谷川篤宏, 堀口正之, 他
    • 学会等名
      第40回日本臨床分子形態学会総会
    • 発表場所
      福岡県福岡市
    • 年月日
      20081003-04
  • [学会発表] 組織幹細胞による再生医療へのアプローチ-組織幹細胞の分離と目的細胞への分化誘導-2008

    • 著者名/発表者名
      山本直樹
    • 学会等名
      第40回藤田学園医学会総会
    • 発表場所
      愛知県豊明市
    • 年月日
      20081002-03
  • [学会発表] 虹彩由来網膜幹/前駆細胞からの網膜神経細胞への分化誘導2008

    • 著者名/発表者名
      山本直樹, 谷川篤宏, 堀口正之, 他
    • 学会等名
      第81回日本組織培養学会総会
    • 発表場所
      茨城県つくば市
    • 年月日
      20080519-20
  • [学会発表] ヒト虹彩由来細胞からの網膜神経細胞への分化誘導. (優秀ポスター賞受賞)2008

    • 著者名/発表者名
      山本直樹, 谷川篤宏, 堀口正之
    • 学会等名
      第112回日本眼科学会総会
    • 発表場所
      神奈川県横浜市
    • 年月日
      20080417-20
  • [図書] 子どもに多い目の病気. "感染予防の必要性の有無と指導の実際"2008

    • 著者名/発表者名
      山本直樹
    • 総ページ数
      14-19, 6
    • 出版者
      健学社, 東京

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi