研究概要 |
1) 大腸菌でのGDAP-1の発現 本年度は、GDAP-1組換えタンパク質を、C末端にV5エピトープと6xHisタグ配列をもつアラビノース誘導によるチオレドキシン(切断可能)との融合タンパク質として発現した。様々な条件(アラビノース濃度、温度)を試みた結果、全長GDAP-1(GDAP-1 full)は多くは不溶性となったものの、アラビノース濃度0.2〜0.002%、30℃での可溶性の発現が確認できた。また、2つの疎水性領域1つを欠失したGDAP-1-d1と、2つ欠失したGDAP-1-d2の発現を0.002%以下の低濃度アラビノースで確認し、発現量は疎水領域を除いたもの程増加する傾向にあることがわかった。可溶性画分に発現したものはいずれも、Hisタグ配列経由で固定化金属アフィニティクロマトグラフィ樹脂を用いて精製できることを確認した。以上により、機能解析に向けた発現系が-応確立できた。 現在、チオレドキシン部位を切断する詳細な条件検討を行なっている。また、現在までに、相同性の高いTetrachloro-p-hydroquinone reductive dehalogenaseや2,5-Dechlorohydroquinone reductive dehydrogenaseの基質に対しては活性が認められない事がわかった。 2) 哺乳類細胞でのGDAP-1の発現 全長GDAP-1を、安定的に発現するCOS-7細胞と、テトラサイクリン誘導で安定的に発現するNeuro-2a細胞を作成した。今後、組織染色、ミトコンドリア等の活性検討に用いる予定である。
|