研究課題
1 : 培養細胞を用いてのβsynによる神経細胞への分化誘導の解析MG63細胞株を用いた検討に加え、昨年度より取り掛かっている骨髄幹細胞株UE7T-13に対するβsyn過剰発現による細胞分化について、継続し解析を行った。一過性過剰発現および恒常的過剰発現の系を用いて、野生型βsynの神経細胞への分化能を比較検討したところ、βsyn発現細胞において、神経軸索様突起の伸長が認められ、分化誘導作用が見出された。2 : 変異型βsyn P123H トランスジェニック(Tg)マウスを用いた解析昨年度より以前の検討から、変異型βsyn P123H Tgマウスが新しいシヌクレイノパチーモデルとして有用となりうることを示唆していることから、引き続き表現系解析を詳細に行い、モデル動物としての確立を試みた。老齢期において、大脳基底核に神経末端の肥大などの軸索病変が認められること、および、運動能力が低下することに加え、6ヶ月の若齢のころに自発運動量の低下、記憶力の低下が認められた。6ヶ月齢のTgマウスの海馬において、豊富な変異型βsynP123Hの発現が見られ、一部蓄積している所見が得られた。また、アストログリオーシスの所見もみられ、syn陽性封入体が形成されるよりも早く、海馬に病変があらわれることが見出された。記憶の障害は、レビー小体型認知症において運動障害より早く現れることから、変異型βsynP123H Tgマウスは、レビー小体型認知症の初期のモデルとして有用であると考えられた。
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