• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

網膜におけるレチノイン酸誘導の一酸化窒素合成酵素の生理機能と神経再生への応用

研究課題

研究課題/領域番号 19700338
研究機関金沢大学

研究代表者

郡山 恵樹  金沢大学, 医学系, 助教 (70397199)

キーワード網膜 / 神経再生 / 一酸化窒素合成酵素 / 一酸化窒素 / レチノイン酸 / cGMP / PKG / 魚類
研究概要

中枢神経は損傷、脱落をうけるとアポトーシスが誘導され再生しないという概念から緑内障をはじめとする中枢神経疾患の治療は難しいとされてきた。近年、ほ乳類における中枢神経再生の試みとして末梢神経移植や幹細胞の神経様分化誘導の応用が盛んに行われているが、いずれも機能的な再生には至っていない。一方、魚類は神経損傷させても、神経軸索再生阻害因子をコードする遺伝子がないため再生が可能であり、神経再生モデルとして用いられる。この網膜-視神経系を用いた神経再生モデルにおいて、神経損傷後の網膜神経節細胞(RGC)ではレチノイン酸(RA)レベルが上昇し、一酸化窒素(NO)-cGMPによる軸索伸長を起こすことがわかった。視神経損傷後の網膜のRGC層において神経型一酸化窒素合成酵素(nNQS)の発現が高まることとNOSの活性化、NO産生ともに上昇していることが分かったのでそれらのシグナルと神経軸索伸長との関連シグナルを各阻害剤やsiRNAを用いて調べた。その結果、網膜組織片培養における軸索再伸長効果はnNOS-cGNP-PKG経路の活性化により促進されることが分かり現在論文投稿中である。またnNOSの発現上昇時期に一致してRNレベルも高まることを見出した(論文報告済み)のでそれらの関係を精査するとnNOSの発現誘導はレチノイン酸によって制御されていることがわかった。これらのことからさらに詳しいメカニズムを解明することで親神経の再生および緑内障をはじめとする難治性中枢疾患に対する包括的治療に大きく貢献できると考える。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Involvement of retinoic acid signaling in goldfish optic nerve regeneration2009

    • 著者名/発表者名
      永島幹子
    • 雑誌名

      Neurochem Int. 54

      ページ: 229-236

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A novel neuroprotective role of a small peptide from flesh fly, 5-S-GAD in the rat retina in vivo2008

    • 著者名/発表者名
      郡山恵樹
    • 雑誌名

      Brain Res. 1240

      ページ: 196-203

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Changes of phospho-growth assotiated protein 43 (phospho-GAP43) in zebrafish retina after optit nerve injury : a long term observation2008

    • 著者名/発表者名
      金田学
    • 雑誌名

      Neurosci Res. 61

      ページ: 281-288

    • 査読あり
  • [学会発表] 中枢神経損傷後におけるレチノール結合タンパク質プルプリンの神経保護、軸索伸長効果について2009

    • 著者名/発表者名
      郡山恵樹、齊藤淳一、松川 通、加藤 聖
    • 学会等名
      第129回日本薬学会年会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2009-03-28
  • [学会発表] A retinol binding protein, purpurin protects injury-induced apoptosis and regenerate axons in rat CNS neurons2008

    • 著者名/発表者名
      郡山恵樹
    • 学会等名
      Society for Neurosciende 38th Annual Meeting
    • 発表場所
      ワシントンDC
    • 年月日
      2008-11-16
  • [学会発表] 視神経再生分子プルプリンによるRALDH2の発現促進作用について2008

    • 著者名/発表者名
      齊藤淳一
    • 学会等名
      第55回中部日本生理学会
    • 発表場所
      愛知
    • 年月日
      2008-10-17
  • [学会発表] プルプリンはラット損傷中枢神経のアポトーシスを保護する2008

    • 著者名/発表者名
      郡山恵樹、松川通、齊藤淳一、野中真澄、加藤聖
    • 学会等名
      第51回日本神経化学大会
    • 発表場所
      富山
    • 年月日
      2008-09-13

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi