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2007 年度 実績報告書

オリゴデンドロサイトによる活動電位の軸索伝導の修飾

研究課題

研究課題/領域番号 19700356
研究機関山形大学

研究代表者

山崎 良彦  山形大学, 医学部, 助教 (10361247)

キーワード海馬 / 白板 / オリゴデンドロサイト / 活動電位 / グルタミン酸受容体 / 伝導速度 / 髄鞘 / ラット
研究概要

1.海馬白板に位置するオリゴデンドロサイトの形態学的および電気生理学的性質を検討した。1つのオリゴデンドロサイトは、錐体細胞の神経軸索と平行に走る突起を10〜30本持っていることがわかった。また、静止膜電位は平均で約一75mV、入力抵抗は約115MΩであり、脳梁や視神経に存在する成熟オリゴデンドロサイトの値とほぼ同じ値であった。
2.多形細胞層との境界近くに位置するオリゴデンドロサイトは、海馬の神経活動に強く反応することがわかった。具体的には、電気刺激に対し時間的にかなり遅い反応を示し、減衰時定数は平均で2.53ミリ秒であった。反応の立ち上がりも著しく遅いことから、通常のシナプス伝達による反応ではなく、拡散してくる神経伝達物質に反応していると示唆された。
3.2の電気刺激による反応は以下の複数の機序で生じていることが分かった。
(1)NMDA型およびnon一NMDA型グルタミン酸受容体(上記の通り拡散による)。
(2)内向き整流性カリウムチャネル(電気刺激によって多数のニューロンが活動電位を発生するため、細胞外カリウムイオン濃度が増加する)。
(3)記録しているオリゴデンドロサイトが髄鞘を形成している軸索を伝導する活動電位。
4.錐体細胞の軸索とオリゴデンドロサイトとの位置関係を知るために、両者にバイオサイチンを注入して検討した。約5分の1の確率で軸索とオリゴデンドロサイトの突起領域が重なっズいる組み合わせを得ることができた。
以上のことにより、オリゴデンドロサイトは海馬の神経活動を受容することが明らかになった。また4の結果から、今後の研究において、活動電位の修飾効果を検討することができると考えられた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Chronic nicotine exposure affects the normal operation of hippocampal circuits2007

    • 著者名/発表者名
      Nakauchi, et. al.
    • 雑誌名

      Neuroreport 18

      ページ: 87-91

    • 査読あり
  • [学会発表] Oligodendrocytes modulate conduction of action potentials in alveus of rat hippocampus2007

    • 著者名/発表者名
      Yamazaki, et. al.
    • 学会等名
      37th Annual meeting of the Society for Neuroscience
    • 発表場所
      San Diego
    • 年月日
      2007-11-04
  • [学会発表] 海馬白板のオリゴデンドロサイトによる活動電位の伝導に対する修飾効果2007

    • 著者名/発表者名
      山崎良彦
    • 学会等名
      第40回東北生理談話会
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      2007-10-20

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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