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2007 年度 実績報告書

神経筋接合部信号伝達障害に対するタンパク標的治療法の開発研究

研究課題

研究課題/領域番号 19700364
研究機関名古屋大学

研究代表者

伊藤 美佳子  名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 招へい教員 (60444402)

キーワード先天性筋無力症候群 / collagen Q / 遺伝子治療 / 細胞外分子欠損症
研究概要

Collagen Qの分子欠損による先天性筋無力症候群は、神経筋接合部において、ColQ遺伝子の変異により終板AChE欠損症になり、シナプス伝達が傷害され、筋無力症状が起きる。本研究では、COLQノックアウトマウスを用いて、レトロウィルスベクターとアデノ随伴ウィルス(AAV)ベクターの2手法の遺伝子治療を行い、タンパク標的療法の開発を行っている。
生体内で強発現をするプロモーターEFl-α下流にColQ並びにAChEを組み込んだレトロウィルスベクターを作製した。マウスの脾臓、リンパ節から摘出、分離したTリンパ球をCD3、CD28刺激下で培養し、組換えレトロウィルスを感染させた。そのTリンパ球において、ColQとAChEが結合した構造体がショ糖密度勾配遠心法で分離、検出された。今後、感染させたTリンパ球を大量に生産し、マウスの体内に注入する予定である。
AAVによる治療研究では、筋肉に感染特異性の高いAAV-8型を用いて、ColQを発現するウィルスベクターを作製し、精製した。5x10^11vgのAAVを静注した欠損マウスは、従来の神経筋疾患の遺伝子治療効果の期待を遥かに超える、良好な運動機能の回復が認められた。治療マウスは組織細胞染色により、神経筋接合部でColQの発現によるAChEの集積が正常化していた。ColQは基底膜に係留シグナルを持つ細胞外タンパクであるため、生体内で遺伝子導入された細胞の割合が低くても、自らの細胞外集積により、十分量を獲得できたと考えられる。今後、電気生理学実験を含めた治療の効果の検証、投与量の検討、他の臓器への異所性発現など更に研究を重ねる予定である。
今年度の成果から遺伝子治療が細胞外分子欠損症に対するタンパク分子の補充に非常に有効であると思われるため、他の疾患にも応用できる汎用の手法として確立を目指している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Viral vector-medicated expression of human collage Q in cultured cells2008

    • 著者名/発表者名
      Mikako Ito, Akio Masuda, Shinsuke Jinno, Takeshi Katagiri, Eric Krejci, Kinji Ohno^a
    • 雑誌名

      CHEMICO-BIOLOGICAL INTERACTIONS (in press)

    • 査読あり
  • [学会発表] Gene therapy for collagen Q defects in congenital myasthenic syndromes2007

    • 著者名/発表者名
      M. Ito, A. Masuda, S. Jinno, T. Katagiri, E. Krejci and K. Ohno
    • 学会等名
      The IXth International Meeting on Cholinesterases
    • 発表場所
      中国、蘇州
    • 年月日
      2007-05-07

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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