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本研究は「亜種レベルの異なる進化的起源を有するマウス近交系統間の遺伝的差異に注目して、肥満症とこの疾患の発症を基盤とした糖尿病、高脂肪血漿、高血圧などの「生活習慣病」に対し、遺伝的不和合成に基づく遺伝子発現ネットワークの変化を病態の発症に結びつける」というアプローチから研究をおこなった。汎用実験用マウスであるC57BL/6J(B6)系統と日本産野生マウス由来のMSM/Ms(MSM)系統を使用して樹立された「亜種間コンソミック系統」を使用して、多因子肥満症に関連した表現型の収集を行った。複数のコンソミック系統の雄個体を用い、高脂肪食負荷による飼育を行い、特定の染色体を置換した系統で顕著に脂肪蓄積が認められることを確認した。さらに、これらのコンソミック系統について、通常餌および高脂肪餌負荷個体の脳、筋肉、脂肪組織等をはじめとした代謝関連臓器の収集を行い、遺伝子発現解析用試料を収集した。一部のコンソミック系統の試料についてはAffymetrix社製GeneChip Mouse430_2による遺伝子発現解析をおこない、B6系統との比較をおこなった。また、一部のコンソミック系統についてはF2マウスならびにコンジェニック系統を作製した。
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