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2008 年度 実績報告書

特異的ペプチドを用いた高機能性ポリ乳酸表面の創製

研究課題

研究課題/領域番号 19700400
研究機関東京大学

研究代表者

松野 寿生  東京大学, 駒場オープンラボラトリー, 助教 (50376696)

キーワードバイオコンジュゲイト / 生体適合材料 / 生体機能材料 / 再生医工学材料
研究概要

ポリ乳酸(PLA)の優れた生体内分解吸収性ならびに力学特性を維持したままポリ乳酸フィルム表面を化学修飾し、種々の生理活性物質とのコンジュゲート化を実現すれば、PLAの医用材料としての有用性は飛躍的に拡大すると考えられる。本研究では、PLA表面を特異的に認識し結合するペプチドを、ファージディスプレイ法を用いたライブラリースクリーニングにより探索し、認識ペプチドを介し機能性分子を複合化した新規PLA系バイブリッド材料を創製することを目的とした。平成20年度は、前年度までにポリ-L-乳酸(PLLA)のα-form結晶に対するスクリーニングにより同定した2種類のペプチドに関し、表面プラズモン共鳴(SPR)法を用いた詳細な分子間相互作用解析を行った。その結果、直鎖7残基の短鎖ペプチド(配列 : QLMHDYR)が、PLLAのα-formに対し最大で6.1x10^4M^<-1>の結合定数を示すのに対し、PLLAのβ-form結晶あるいはアモルファス膜に対する結合定数はそれぞれ1/4、1/9に低下することが分かった。すなわち当該ペプチドはPLLAの結晶多形を識別し特異的に結合できることを明らかとした。また変異体解析より、4残基目のヒスチジンおよび7残基目のアルギニンが認識に重要であることも明らかにした。一方、交互積層法を用いて調製した最外層がPLLAのβ-form結晶膜に対しファージディスプレイ法を適用し、4ラウンドのファージプールの濃縮操作の後、3種類のPLLAβ-form結合性ペプチド配列を同定した。Enzyme-linked immunosorbent assay(ELISA)の結果、見かけの結合定数が10^<10>M^<-1>オーダーに達する極めて強い結合を示すペプチドを見出すことに成功した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Biological Selection of Peptides for Poly(L-lactide)Substrates2008

    • 著者名/発表者名
      Hisao Matsuno
    • 雑誌名

      Langmuir 24

      ページ: 6399-6403

    • 査読あり
  • [学会発表] 短鎖ペプチドによるポリ乳酸ステレオコンプレックス表面認識2008

    • 著者名/発表者名
      松野寿生
    • 学会等名
      高分子学会年次大会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2008-05-28

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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