短鎖DNAを一成分とする温度応答性ブロック共重合体を、精密且つ効率的に合成する手法を確立した。このブロック共重合体は、温度応答性セグメントの相転移温度以上の水中で、数十nmのミセル様の会合体を自発的に形成した。会合体表層の短鎖DNAからなるシェル層に、これと相補的な塩基配列を含むDNA鎖をハイブリダイズさせ、任意の塩基対構造を有するDNA二重鎖担持ナノ粒子を得た。DNA二重鎖担持ナノ粒子の分散安定性は、表層のDNA二重鎖の自由末端近傍の塩基対構造に強く依存し、例えばT-Tミスマッチ塩基対を適切な位置に配置すると、ごく微量の水銀(II)イオンにも明敏な応答を示すセンシングデバイスとなることを明らかにした。
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