研究概要 |
まず,先行的に3次元ボリュームデータの特徴を解析し,特徴領域を強調するためのボリューム簡略化手法を提案した.診断の対象となるボリュームデータが大規模である場合には,可視化操作によってデータを観察することが困難になる.そこで,ボリュームデータやポリュームデータから抽出したサーフェスデータの特徴を保持しながらデータを削減する機能を開発した. 次に,本研究の目的であるボリュームマップを生成した.まず,医用画像(断面画像)群から3次元ボリュームデータを再構成し,特徴解析によって特徴を保持しながらデータを削減する.削減したデータに対して,このデータを囲むように球面スクリーンを配置し,球面上の各点からレイ(視線)を飛ばす.この際,球面上の各点から球の中心までのボリューム空間の交点のスカラデータ(画像の濃淡値)に透明度を掛けた値を足しこんで球面スクリーンにマッピングする色を決める.このとき,通常のレイキャスティングによるボリュームレンダリングを採用すると,球面投影を採用しても臓器などの陰に隠れた腫瘍が発見できないおそれがある.そこで本研究では,投影した2次元ボリュームマップには3次元ボリュームの情報を可能な限り埋め込むため,障害物があってもレイの追跡は終了しない.この情報を投影した球面スクリーンは,メルカトル図法の要領で2次元空間に展開し,この2次元ボリュームマップ上で伝達関数を操作することで腫瘍などの異常の発見を促す.
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