研究概要 |
本研究では,乳腺超音波画像と乳房X線写真(Mammography:MMG)を対象とし,腫瘤などの病変を自動検出できるコンピュータ支援診断(CAD)システムの開発の基礎研究を行い,その臨床応用への可能性を検討することを目的としている。 本年度は以下の成果を得ている. 1.乳腺超音波画像とMMGが同時読影可能なビューワソフトの開発 乳腺超音波画像とMMGを同時にモニタ上に提示し,読影できる画像提示ソフトウェアを開発した. 2.乳腺超音波画像用CADシステムの開発 ホールブレスト超音波画像を対象とした,腫瘤性病変の自動検出処理を提案し開発した.40例の画像に適用した結果,80%以上の正解率が得られ,手法の有効性が証明できた.また,超音波では比較的描出されにくいとされる,微小石灰化画像の自動検出処理の開発に着手した 3.乳腺超音波と乳房X線画像(剛G)のFusion画像生成のためのアルゴリズムの開発 ホールブレスト超音波画像とMMGの画像レジストレーションを行うための,画像中の対応点(ランドマーク)抽出処理の検討を行った。ホールブレスト超音波画像を対象とした,スキンラインと腺在筋膜深層および大胸筋の抽出処理の開発を行った. 本年度は,今後の展開(発展)につながる結果を得ており,これらの成果を元に,実用的なCADシステム開発に向けて,さらに研究を継続中である。
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