Interleukin-12(IL-12)発現遺伝子を用いたがん遺伝子治療は、NK細胞、細胞傷害性T細胞の活性化、interferon-γ産生誘導などの強力な抗腫瘍免疫の活性化によるがん治療として期待されている。このがん遺伝子治療法を確立するためには、in vivoにおいて安全かつ効率よくがん組織にIL-12発現遺伝子導入可能な方法の開発が必要となる。これまでに我々は、超音波造影ガス封入リボソーム(バブルリポソーム)と超音波の併用が'in vivoにおいて、既存の非ウイルスベクターであるLipofectamine 2000よりも効率よく遺伝子導入可能であることを明らかにしてきた。そのため、バブルリポソームと超音波の併用は、IL-12がん遺伝子治療に有用な遺伝子導入法として期待される。そこで本研究では、本遺伝子導入法を用いたIL-12発現遺伝子導入における抗腫瘍効果を評価した。その結果、バブルリポソームと超音波を用いIL-12発現遺伝子を導入した群では、Lipofectamine 2000を用いてIL-12発現遺伝子を導入した群と比較して、顕著な抗腫瘍効果、生存日数の延長が確認された。以上の結果より、バブルリポソームと超音波の併用は、IL-12がん遺伝子治療において、有用な非ウイルスベクターシステムとなることが示唆された。
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