研究概要 |
手術映像の処理解析アルゴリズムの開発 : 手術室照明による影や他の物体との重なりのあるビデオ映像から, 目的のマーキングや術具を抽出し必要な情報を獲得するアルゴリズムを開発した. モーションキャプチャーグローブを装着した状態で数例の外科手術を実施し撮影した. 術具を並べてあるトレイの撮影も行った. 手術室の照明を変えたり, 数種のマーキングパターンやマーキングカラーのグローブを用意したりして撮影を行った. また, 画像処理解析プログラムを作成した. プログラムでは, 取得画像のエッジ検出, 2値化, 膨張収縮(欠損部の補間), 雑音除去(手袋のシワなどの除去), ラベリング(各部の番号付け), 輪郭抽出(塗りつぶしのため), 塗りつぶし(特徴量算出のため), 特徴量算出(向き, 長さ, 位置などの計算)を実施した. 計算結果の精度などにより, プログラムの評価を行い, アルゴリズムを完成させた. 同時に手術手技データベースの更新実験も行った。検証用医療機器の開発と検証 : 処理解析アルゴリズムの検証のために, 腹腔鏡下手術機器やカテーテル鉗子を作成した. 直径1-2mm, 全長1m以上でありながら, 「強い把持力」, 「先端屈曲と回転自由度」を有するマイクロ鉗子の設計, 製作, 評価を行った. すべてを統合したシステムの構築と検証を行った. 術中に撮影, 画像処理, 手技の同定を統合したシステムを構築し, 検証した. 同定精度を中心にシステムの評価を行った.
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