心筋虚血発作の履歴を非侵襲的に検出する方法論は臨床上重要である。近年、虚血イベント後に局所心室拡張期弛緩速度の低下が残存して、これが虚血の履歴所見(diastolic ischemic memory)として有用であることが期待されている。そこで本研究では、心エコー図の新規開発ソフト(心筋壁局所変形パラメータをデジタル化して虚血誘導下の壁運動異常を評価する方法論)を用いて、動物実験的に短時間強度虚血誘導後の虚血解除下で心筋壁変形パラメータの悪化所見を定量評価する方法論を確立することを目的とする。本年度は、成犬を用いて冠動脈を一時的に閉塞する実験をおこなった。この前後で心エコー図を記録し、ティッシュトラッキング法を用いて壁運動ストレインを解析した。
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