脳卒中患者に対する下肢電気刺激による筋力・血流量の測定 これまでわれわれは、心不全患者や呼吸不全患者など運動療法不能の患者に対して、下肢電気刺激療法を施行し、電気刺激施行の安全性と筋力増強や血流増加、運動耐容能向上などの効果を認めた。 今回は自力での運動療法の困難な脳卒中患者を集めた。まず当科にてリハビリテーションを行い、機能的にプラトーで有ることを確認したのちに骨格筋電気刺激療法の効果について電気刺激前後で比較検討した。検討項目は、筋力評価・運動耐容能評価・血流評価である。電気刺激は、両側大腿直筋、下腿三頭筋に対して行った。刺激条件は、10Hz、20秒のon-off、方形波、200ミリ秒に設定した。刺激強度は被験者が認容可能な最大レベルとした。刺激時間は60分間とし、この電気刺激を1日1回、1週間に7日間、計26週間で施行した。その結果、脳卒中患者に対する電気刺激により運動耐容能向上、筋力増強、血流改善傾向を認めた。また当初懸念された疼痛や筋疲労の自覚症状や、悪影響は認めなかった。したがって脳卒中患者に対する骨格筋電気刺激療法の効果とその安全性の確認ができた。このデータは、平成21年度の日本リハビリテーション学会雑誌などに発表予定である。 廃用症候群・呼吸不全に対する下肢電気刺激の長期的効果 上記研究は昨年来行ってきたが、今回は、期間を半年に延期してフォローし、骨格筋電気刺激療法が長期的にも効果があることが確認できた。このデータは、5th World Congress of the International Society of Physical and Rehabilitation Medicineに発表予定である。
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