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2008 年度 実績報告書

褥瘡の発生機序の解明とリハビリテーションアプローチの検討

研究課題

研究課題/領域番号 19700435
研究機関広島大学

研究代表者

黒瀬 智之  広島大学, 大学院・保健学研究科, 助教 (20363054)

キーワード褥瘡 / 圧迫 / ネオジム磁石 / ラット / マイクロアレイ / リアルタイムPCR
研究概要

ラットの腹壁を体内外の磁石2個で挟む褥瘡モデルを作製し、圧迫後の遺伝子発現の解析を行った。磁石を使って100mmHgの圧力で、ラットの腹壁を4時間圧迫した。圧迫開始から12時間、1、3日後に、ラットを屠殺し、腹壁を採取した。対照のシャム手術群は、腹膜腔に磁石を挿入したが、圧迫を行わなかった。表皮から皮下組織までのtotal RNAを、マイクロアレイ解析とリアルタイムPCRに使用した。シャム手術群に組織学的変化はみられなかったが、磁石で圧迫した群は、真皮や皮下組織、筋層などが傷害されていた。マイクロアレイで調べた約31,000個の遺伝子のうち、圧迫12時間後に4607個、1日後に4454個、3日後には2368個の遺伝子で、発現量がシャム手術群に比べて2倍以上に増加していた。アポトーシスや炎症反応、酸化ストレスに対する反応、タンパク質分解、低酸素に対する反応に関わるものが多くなっていた。その中で炎症に関連する遺伝子を、リアルタイムPCRを用いて定量的に調べた。リアルタイムPCRでは、多くの炎症に関連した遺伝子が12時間後や1日後には増加したが、3日後には減少していた。今回、マイクロアレイにより、持続的な圧迫後の遺伝子発現を網羅的に調査し、発現量が大きく変動する遺伝子を絞り込むことができた。炎症性サイトカインが褥瘡発生に関与していると考えられるが、発現場所やそれぞれの相互作用などの詳細は不明な点が多い。今後、これらの遺伝子が、どのように褥瘡の発生に関わっているか、どの遺伝子が鍵となっているかを調べることで、より効果的な褥瘡予防と治療が行えると考える。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Alteration in articular cartilage of rat knee joints after spinal cordinjury2008

    • 著者名/発表者名
      Moriyama H
    • 雑誌名

      Osteoarthritis Cartilage 16

      ページ: 392-398

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The skeletal muscle vascular supply closely correlates with the muscle fiber surface area in the rat2008

    • 著者名/発表者名
      lchinose E
    • 雑誌名

      Arch Histol Cytol 71

      ページ: 45-57

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Morphological changes in hindlimb muscles elicited by adjuvant-induced arthritis of the rat knee

    • 著者名/発表者名
      Ozawa J
    • 雑誌名

      Scand J Med Sci Sports (In press)

    • 査読あり
  • [学会発表] ラット褥瘡実験モデルの作製と褥瘡関連遺伝子の解析2008

    • 著者名/発表者名
      黒瀬智之
    • 学会等名
      第10回日本褥瘡学会学術集会
    • 発表場所
      神戸市
    • 年月日
      20080829-30
  • [学会発表] 褥瘡発生に関与する遺伝子の実験モデルによる解析2008

    • 著者名/発表者名
      黒瀬智之
    • 学会等名
      第43回日本理学療法学術集会
    • 発表場所
      福岡市
    • 年月日
      20080515-17

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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