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2008 年度 実績報告書

熱刺激と身体運動を併用した新たな筋萎縮の治療方法の開発に関する実験的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19700452
研究機関星城大学

研究代表者

坂野 裕洋  星城大学, リハビリテーション学部, 助教 (00351205)

キーワード廃用 / 骨格筋 / 筋損傷 / 熱刺激 / Heat shock protein / ギプス固定 / 再荷重 / 筋傷害予防
研究概要

【目的】平成19年度の報告において, 我々は, ギプス固定期間中に熱刺激を行うと, ギプス固定後の再荷重で起こるラットヒラメ筋の筋傷害が抑えられること, ならびにその作用機序にHeat Shock Protein(HSP)70の発現が関与していることを報告した, しかし, 平成19年度の報告では, 再荷重後3日目までしか検討しておらず, その後の経過については不明であった. そこで本年度は, 再荷重後の経過をさらに延長し, プレコンディショニングとしての熱刺激が筋傷害の発生におよぼす影響を検討した. 【方法】ラットを通常飼育の群と通常飼育にて熱刺激のみを行う群, 両側足関節を4週間ギプス固定する実験群に振り分け, 実験群はさらにギプス固定終了の2日前に熱刺激を行い, 固定期間終了後に再荷重を開始する群と熱刺激は行わず同様に再荷重を開始する群に分けた. 検索時期は再荷重開始から0, 1, 3, 5, 7日目とし, ヒラメ筋を材料にHsp70含有量と壊死線維の発生頻度, ならびに筋線維横断面積の分布状況を比較した. 【結果および考察】ギプス固定後の再荷重で起こる筋傷害は, 再荷重から3日目に最も顕著となり, その後の経過は回復する傾向にあった. 一方, 再荷重開始の2日前に熱刺激を行うと, 再荷重開始時のラットヒラメ筋内にHsp70が発現し, 再荷重から3日目の筋傷害が軽減されることを確認した. しかし, その後の経過をみると, 再荷重から5日目や7日目に, 新たな筋障害の発生が認められた. このことから, ギプス固定後の再荷重前に行う, 1度の熱刺激だけでは, 再荷重後に繰り返し与えられる伸張負荷などのストレスに対する, 長期的な筋傷害の予防効果は得られない可能性が考えられた. 今後は, 臨床応用に向けて, 定期的に複数回の熱刺激を行った場合の筋傷害に与える影響について検討し, 筋傷害の予防効果を長期的に得られる熱刺激の実施頻度について明らかとする必要があると考える.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] ギプス固定後の再荷重によるラットヒラメ筋の筋線維損傷に対する温熱負荷の影響2009

    • 著者名/発表者名
      坂野裕洋, 沖田実, 他6名
    • 雑誌名

      理学療法学 36巻2

      ページ: 33-40

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Effect of immobilization on insoluble collagen concentration and type I and ty pe III collagen isoforms of rat soleus muscle.2008

    • 著者名/発表者名
      I. HIBINO, Y. BANNO, 他3名
    • 雑誌名

      Journal of The Japanese Physical Therapy Association 11(1)

      ページ: 1-6

    • 査読あり
  • [学会発表] 物理的刺激による培養骨格筋細胞の肥大効果-電気刺激と温熱刺激の比較-2009

    • 著者名/発表者名
      岩田全広, 坂野裕洋, 他3名
    • 学会等名
      第13回日本体力医学会東海地方会学術集会
    • 発表場所
      名古屋(愛知)
    • 年月日
      2009-03-15
  • [学会発表] 再荷重によって起こる筋線維損傷に対するプレコンディショニングとしての温熱負荷の効果-後肢ギプス固定モデルラットを用いての検討-2008

    • 著者名/発表者名
      坂野裕洋, 沖田実, 他2名
    • 学会等名
      第4回日本ペイン1リース研究会学術集会
    • 発表場所
      名古屋(愛知)
    • 年月日
      2008-06-01
  • [学会発表] プレコンディショニングとしての温熱負荷がキギプス固定後のラットヒラメ筋の筋線維損傷におよぼす影響2008

    • 著者名/発表者名
      坂野裕洋, 沖田実, 他6名
    • 学会等名
      第43回日本理学療法学術大会
    • 発表場所
      福岡(福岡)
    • 年月日
      2008-05-16
  • [図書] 理学療法学テキストシリーズ物理療法学テキスト(担当部分 : 第V部寒冷療法1章寒冷療法概論, 寒冷療法実習生理学的効果実験, 129-140, 159-161.)2008

    • 著者名/発表者名
      坂野裕洋, 沖田実
    • 総ページ数
      358
    • 出版者
      南江堂

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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