研究概要 |
本研究は,神経-筋系活動を反映する多チャンネル表面筋電図を入力信号とするインターフェース機器の開発を目的とする.すでに生体工学分野において,生体情報,体性感覚を利用した義肢装具に関する研究が現在も進められており,バイオミメティック筋電義手や感覚フィードバックなどによるヒトの感覚に近い義肢装具の開発のようなリハビリテーションの現場で用いられる機器にもより高度なインターフェース機器の導入が進められている.つまり,筋電図を用いたインターフェースはよりヒトの感覚に近く,直感的に操作するための技術としての可能性を持っている. 平成19年度は多チャンネル表面筋電図を計測するための電極の開発,及びそれにより検出された筋電信号を増幅するための筋電アンプの作成を行った.製作した電極は56チャンネルの双極誘導筋電図の計測が可能となった.製作した筋電アンプにより増幅された56チャンネルの筋電図信号をA/DボードによりPCへ記録するためのソフトウェアシステムを開発した.また,そのソフトウェアは記録と同時に,PCのモニタ上に筋電信号を3次元表示により視覚的に確認できるようにOpenGLライブラリを使うことができるようにもした.つまり,筋電信号を記録しつつ,表示するという作業をスレッド・プログラミングにより実現したことによって,筋電信号からの神経-筋系活動の生理学的な情報を取得することのみならず,神経活動情報というよりヒトの知覚に近いところで計測することができるようになったことで,コンピュータ・インターフェースとしての新たな展開の可能性をも期待することができる.
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