研究概要 |
我々は名古屋市天白擁護学校の協力により,自閉児とのインタラクションを行うためのロボットシステムについて話し合う機会を得た.それを基に自閉児に対して基本的な動作模倣能力を獲得させるためのロボットを用いた課題を考案した.この課題は,自閉児とロボットとが対話的に体操を行うものである.この目的は単に自閉児に体操が出来るようにするためのものではなく,自閉児の自発的な行動を促したり模倣能力を強化したりすることである. まず始めにロボットが体操の動作が描かれたイラストを見せると同時にその動作を音楽に合わせてロボットが行う.その動作に対する子供の反応に対してロボットは子供の動作と同じ動作を行う.その後に,子供の行った動作と目標となる課題の動作との違いを対話的に教える.このロボットと自閉児とのインタラクションによって,どのようにロボットの動作を模倣するのかということを学習することが期待でき,最終的には社会的なインタラクションが行えるようになると考えられる. 現状では,画像処理技術ベースのカメラ1台と新たな動作模倣アルゴリズムを用いたロボット動作模倣システムを提案した.このシステムでは人間の動きを,12箇所の関節角度を用いた姿勢によって表現する.このシステムを用いた動作模倣の実験結果では,ターゲットの人間の動きを正確に模倣することが出来た.また,上半身の動作情報から子供の動きを認識することが出来る.現状での研究成果はHRI'08の介護ロボット分野のワークショップで発表した.
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