研究概要 |
本研究は,小学校教員養成における他専攻学生を対象とした体育科教育学の授業に焦点を当て,実践経験豊富な現場教師による模擬授業を取り入れた授業プログラムの方法論について,実証的に検討し,今後の小学校教員養成における教師教育のあり方を具体的に提示するところに目的がある。 そこで平成19年度は,現場教師による講義と模擬授業を取り入れるように計画した。ただし、今回の実践に限っては体育科教育Aの授業ではなく,体育専攻学生(中等)が履修する体育科教育学の授業で実験的に行った。実際の授業では,現場教師より,教育現場の実態や体育教師の役割や仕事内容について,90分間講義を行い(6時間目),そして,熟達した教師の指導方略・技術・方法について,実際に模擬授業を通じて学習することを目的に行う。現場教師(水野邦夫教諭)は,愛知県で15年以上中学校での指導経験を有し、学会等にも積極的に参加する意欲的な教師に依頼した。後期では,筑波大学附属小学校で20年以上の指導経験を持ち,現在,びわこ成蹊スポーツ大学教授である松本格乃祐氏に依頼した。松本氏とは数回にわたり日程の調整を行うとともに,振替日を組みやすい期間に模擬授業を行うように設定した。講義では,学生の参加率も高く満足度も非常に高かった。授業成果の分析は行っていないが,20年度に学会発表する予定である。 なお,これらに関連して,ICSEP国際学会では1月に「Effects of microteaching on the observation and reflection skills of students in Department of Education for Teacher Education」のタイトルで発表を行い,愛知教育大学研究紀要に「授業省察力を育成する模擬授業の効果に関する方法論的検討」で論文発表を行っている。
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