本年度は、他専攻学生を対象に、模擬授業を導入したプログラムと、模擬授業を導入せず、講義形式のみで行ったプログラムの検討を行った。その理由は、他専攻学生の中には、教育実習等で実際に授業を行ったことのある学生がいるグループとそうではないグループに分けられるからである。つまり、模擬授業の効果を十分に経験しているグループとそうではないグループに分けられ、それぞれに特徴的な授業を展開できる可能性があったためである。 授業経験グループは、よい体育授業の基礎的条件と実際の経験に基づくつまずきを探り出し、その解決方法を導く授業展開と、未経験者グループは、模擬授業を取り入れた授業を展開した。 その結果、両グループにおいて、よい体育授業を行うのに必要な反省的実践力の思考が深まった。また、体育授業に対する課題(問題)意識に授業経験が大きな影響を及ぼしていることが明らかとなった。他方で、共通点もあり、授業運営(マネジメント)や、運動苦手意識からくる指導に関する苦手意識である。他方で、指導経験グループは、フィードバッタ方法や運動の苦手な子供に対する指導方法、よりよい効果を導き出す教材の開発などについて、教師としての必要感を持っているようである。 今後は、自由記述によるアンケートから、それぞれのプログラムが持つ効果と改善点を導き出し、21年度の授業では、指導未経験者グループに模擬授業を取り入れた授業を展開するとともに、その経験によって持つであろう教師としての必要感を刺激するプログラム開発を行いたい。
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