研究概要 |
本研究は,舞踊教育現場における有効な鑑賞学習プログラムを開発することを最終目標として,舞踊における鑑賞学習のメカニズムを定量的に明らかにすることを目的とするものである.具体的には,「作品をどのように鑑賞しているか」という鑑賞者の認知メカニズムを定量的に分析するための視線分析と,「どのような動きがどのような鑑賞行動を引き起こすか」ということを明らかにするための動作分析の2方向からのアプローチを行った上で両者の分析結果を照合することにより鑑賞行動の定量化を行う.今年度は特に「文献・資料調査」,「実験対象とする舞踊素材の選定と作成」,「モーションキャプチャによる舞踊動作の物理的特徴量の分析」「アイカメラによるデュエット作品の注視点抽出」を作業目標とした. 1.文献・資料調査:国内外における舞踊の鑑賞研究の変遷について調査し,内容を整理・分類した. 2.舞踊素材の選定と作成:実験に用いる舞踊素材について武庫側女子大学徳家雅子教授のアドバイスの下,本研究のための素材の選定・作成を行った.19年度の実験には武庫川女子大学ダンス部OGによる作品「Enter」と即興舞踊を素材として用いた. 3.舞踊動作の物理的特徴量の分析:基本的な舞踊動作の特徴量についてモーションキャプチャを用いて分析を行った.研究成果については国際学会にて報告し,論文として公刊した. 4.デュエット作品の注視点抽出:デュエット作品鑑賞時の鑑賞者の視線計測を行い,その特徴を定量化した.研究成果については国内学会にて報告した.
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