研究概要 |
本研究は, 舞踊教育現場における有効な鑑賞学習プログラムを開発することを最終目標として, 舞踊における鑑賞学習のメカニズムを定量的に明らかにすることを目的とするものである. 具体的には,「作品をどのように鑑賞しているか」という鑑賞者の認知メカニズムを定量的に分析するための視線分析と, 「どのような動きがどのような鑑賞行動を引き起こすか」ということを明らかにするための動作分析の2方向からのアプローチを行った上で両者の分析結果を照合することにより鑑賞行動の定量化を行う. 今年度は特に, 「モーションキャプチャによる舞踊動作の物理的特徴量の分析」を行った. 具体的な研究内容は以下の通りである. 1. プロのダンサー3名による即興ダンスの創作と動作解析(青, 赤, 黄の3色を呈示して動きを創作してもらう) 2. 3原色から創作された即興舞踊の動作特徴量の分析(モーションキャプチャ). 実験は武庫川女子大学徳家雅子教授のアドバイスの下で実施した. 3. ダンサーの創作意図の分析. ダンサーの創作意図は阪田がインタビューを実施し, 書き起こしたインタビュー内容についてテキストマイニングを行った. 4. 色から創作された舞踊を呈示刺激とした感性評価実験の実施(認知実験) 上記研究成果の一部(動きと感性情報の関連性に関する研究成果, 音楽の表現性と身体動作の関連性に関する研究成果)を国際学会にて報告した(2件). なお, 最終年度(21年度)はこれまでの研究成果を統合し, 動作特徴量と鑑賞者の注目領域との関連を定量的に分析する予定である.
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