研究概要 |
テニスのグランドストロークにおけるオープンスタンスに着目し,以下の研究課題を検討した. 「研究課題1.フォアハンドストロークにおいて用いられるスタンスの実態調査-ジュニア選手,および国内外のトップレベルにあるプロテニス選手を対象として」では,現在,主流とされているオープンスタンスに着目し,各年代のトップ選手が,実戦においてどのようにスタンスを活用しているのかについて調査した.分析のために,全国大会の男女準決勝,決勝をビデオ録画し,上位4名の選手が用いているスタンスを,コート内の場所と関連付け,1球ずつ記録した.その結果,プロ選手は,フォアハンド,バックハンド(両手打ち)ともにオープンスタンスを顕著に用いているのに対して,ジュニア選手は,バックハンドでのオープンスタンスの活用はあまり認められてなかった.このことから,トップレベルを目指すテニス選手は,フォアハンド,バックハンドともに,オープンスタンスを活用する必要があることが示唆された.一方,ジュニア選手は,バックハンドおけるオープンスタンスをどのように活用するべきかについては,さらなる検討が必要である。 「研究課題2.オープンスタンス習得のトレーニング効果についての研究-後ろ脚技術に着目して-」では,オープンスタンスが未熟である学生テニス選手2名(男女各1名)を対象としたトレーニング実験を,平成19年8月から実施している.トレーニングに際しては,著者が実践したオープンスタンスの習得方法を参考にしたトレーニング方法を用いている.また,トレーニング効果を評価するために,ショットの正確性,ボールスピード,技術に対する自己・他者評価などを定期的に記録している.オープンスタンスの習得に際しては,体重移動のタイミングや,体幹の使い方を理解することが,その習得に貢献する可能性が示唆されている.
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