研究概要 |
テニスのグランドストロークにおけるオープンスタンスに着目し, 以下の研究課題を検討した. 「研究課題1. フォアハンドストロークにおいて用いられるスタンスの実態調査-ジュニア選手, および国内外のトップレベルにあるプロテニス選手を対象として」では, 12, 14, 16, 18歳以下のジュニア全国大会, および国内外のトッププロ大会(全日本選手権大会, グランドスラム大会)の準決勝, 決勝において用いられているスタンスを調査した. その結果, フォアハンドにおけるオープンスタンスの使用頻度は, いずれの年代においても平均70%を超えており, 非常に高い確率を示した. バックハンドにおいては, 12歳以下男女ともに20%台を示し, 14〜16歳以下の選手は, 平均40%台を示したが, 最小値は27%, 最大値は93%であり, 個人差が顕著に認められた. 一方, プロ選手は, バックハンドにおいてオープンスタンスを平均48%使用しており, スクエアスタンスと同等に使い分けていた. このことから, バックハンドにおいても, オープンスタンスを活用する事が重要であるといえよう. 「研究課題2. オープンスタンス習得のトレーニング効果についての研究-後ろ脚技術に着目して-」では, オープンスタンスが未熱である学生テニス選手1名を対象としたトレーニング実験を、2007年6月から2008年5月まで実施した. 指導に際しては, 「後ろ脚に体重をためる」, 「後ろ脚を軸として体幹を捻る」動作を特に重視した指導を行った. その結果, 被験者は, オープンスタンスを習得し, ショットの正確性, ボールスピードに向上が認められた. このことから, オープンスタンスにおいては, 後ろ脚に体重をため, その脚を軸として体幹を捻る動作を活用したスイングを習得する事が特に重要である事が示唆された.
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