研究概要 |
本研究の目的は, これまでのレジスタンストレーニングで多用されてきた高重量負荷を用いず, 比較的軽めの重量を用い, 筋腱複合体が伸張された状態で力を発揮することで, 腱組織に瞬間的なメカニカルストレスを加えるトレーニングプロトコルの効果を検証することである. 平成19年度におけるトレーニング実験の結果, 軽重量反動型のレジスタンストレーニングは, 身体組成および最大筋力については向上が認められなかったものの, 跳躍および30mの疾走パフォーマンスを向上させることが明らかとなった. 特に, 本研究においてあつかった被験者は, 日常からトレーニングをおこなっている競技者であり, 一般大学生よりもトレーナビリティは低いといえる. それにも関わらず, 運動パフォーマンスが向上したことは, 筋腱複合体がもつ弾性要素に何かしらの影響を与え, より効率よくStretch Shortening Cycleを利用できるようになったと考えられる. 以上のように, 実験によって研究成果を得るという目的は, 19年度でほぼ達成することができた. そのため, 20年度については新たな追加実験を行うことはせず, 実際の競技現場で指導を行っているコーチに, 本研究結果を紹介し, 競技力向上の一助としてもらうべく, 研究成果の周知および広報活動を行った.
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