平成19年度にアメリカ視察を行い、NBAコミッショナーのデビット・スターン氏にインタビュー調査を行った。スターン氏は、1984年にNBAのコミッショナーに就任以降、23チーム中17チームが赤字経営に陥っていた状態から、2008年に30チーム中20チームが黒字経営になるところまで経営を改善させた各チームの経営が改善された理由は、(1)全てのアリーナの新築・改築による収入の増加、(2)テレビ放映権料の増加、(3)スポーツ・マーケティングによるスポンサー収入の増加という三つの要因から説明された。 NBAは、1980年代半ばからオフシーズンにヨーロッパでエキジビション・ゲームを行い、1990年に日本でNBAの公式戦を初めて行った。スターン氏は、アメリカ以外の地域にバスケットボール市場を拡大した理由を、成功した他の産業が当たり前に行っていることであり模倣したと説明した。バルセロナ五輪以降、NBA人気が世界中で高まり、NBAのテレビ放送を数箇国の状態から200箇国まで増やすことに貢献したと述べていた。さらに、アメリカ以外で生まれたNBA選手を急速に増やすことができたと指摘した。スターン氏は、NBAのグローバル化を肯定的にとらえ、バスケットボールの普及や発展を後押し、成長させていると考えていた。 平成20年度は、ヨーロッパにおけるバスケットボールのグローバル化について調べるために、3月中旬にスペインを訪問し、ユーロリーグ・バスケットボールの最高経営責任者(CEO)、ジョージ・ベルトメ氏にインタビュー調査を行った。さらに、FCバルセロナとレアル・マドリードの3選手とマネージャー1名にインタビュー調査を行った。研究成果は平成21年度に公表予定である。
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