骨格筋の再生過程における血管新生およびミトコンドリアの発達の関連性について検討した。筋再生や血管新生、ミトコンドリアの発達に関わるほとんどの遺伝子の発現増強は、筋損傷3日日に見られる。しかしながら、再生筋繊維で損傷部位が修復されるのは14日日であり、このときにはまだ筋繊維周囲に毛細血管はほとんど存在せず、28日日に損傷前に近い毛細血管の分布が見られる。また、ミトコンドリアの酵素活性は筋損傷14日日にほぼ回復する。これらの結果から、筋再生とミトコンドリアの発達はほぼ同期的に行われていると考えられるが、筋繊維周囲への毛細血管の分布は遅れることが明らかになった。つまり、毛細血管の組織内分布よりも筋再生とミトコンドリアの発達が早く生じる可能性が示唆された。
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