研究概要 |
1. 横断データによる検討 (1) 質問紙の準備 先行研究のレビュー・専門家からの意見聴取を通じて, 質問紙の翻訳・逆翻訳を行った。 (2) 質問紙調査の実施 世田谷区在住で保育所に子どもを預けている共働き美婦約4500世帯を対象に質問紙調査を実施し, 約1500世帯から回答を得た(第1次調査)。 (3) データ解析 ワーク・ライフ・バランス(WLB)が個人およびパートナー(夫・妻)の健康・仕事・家庭機能に及ぼす影響について, 主にネガティブな側面から検討した。その結果,(1) 個人の仕事/家庭におけるストレス要因がWLBを悪化させ, 自身の健康・仕事・家庭機能を低下させること,(2) 個人のワーカホリズム傾向が自身の健康-仕事. 家庭機能を低下させるだけでなく, パートナー(夫・妻)の健康・仕事・家庭機能も低下させること, の2点を明らかにした。 2. 平成20年度に得られた成果とその意義 本研究の成果は, 単に学術的な貢献に留まらず, 政府や自治体, 企業などが地域や職域においてWLB対策を行うための科学的根拠を提供できる点で, 社会的・政策的な側面に対しても貢献できる。
|