平成19年度には、一般女性を対象とした、市販されている主な芳香精油の印象・疲労・ストレス回復、意欲向上効果を質問紙スタイルで調査し、芳香精油毎のデータベースを作成し、柑橘系が最も疲労回復に効果がある香りであることが明らかとなった。Franker、Eriksen課題などのエラー検出の課題は、以前より用いられてきた課題であるが、近年、疲労誘導課題に使用できる可能性が報告されている。疲労は、作業効率の低下や注意集中の低下で評価することが出来、エラー検出課題は、その目的に合致していると考えられる。我々は、第一にFranker課題が日本人での疲労誘導課題に使用できるかどうかを主観的質問票だけでなく、自律神経系、パフォーマンス(正答率・反応時間など)によって評価し、同課題が疲労を誘導できる結果を見出した。第二に芳香条件下での「学習条件群」と「非学習条件群」での反応の違いを検討したので報告する。香りは、快適感情を引き起こすと考えられるが、「その香りが効果的であるという」予期効果が学習によって強化されるとの仮説から、両条件での反応の違いを検討した。その結果、柑橘系の香りの効能の学習を行った群と行わない群で、疲労負荷課題(エラー検出課題)のパフォーマンスや自律神経の反応、疲労度、脳波の変化が認められるかについて検討した。その結果、1ケ月の学習の効果は、課題のパフォーマンスなどに良い影響を与えた。
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