本研究は、1歳児11名を3年間にわたり縦断的に観察することを通して、対象となった幼児及びその幼児とかかわる幼児が、ままごと遊びにおいてどのようなスクリプトを表出し、さらにそのスクリプトを理解し、受け入れ、互いの共通概念としていくかについて、その過程を捉えることを目的としている。 分析の結果、幼児期のスクリプト共有過程は、「食べる」「飲む」を中心としたスクリプトの共有に始まり、飲食するための調理や飲食物の確認・味等に関わるスロットの共有、「供する」際の言語を伴うスロットが表出され、さらには言語発達に伴い、言語を媒介としたイメージの共有が可能となり、それによりスクリプトの共有が図られることが示された。
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