研究概要 |
愛する人を喪う死別経験,身近な他者の介護をしながら老いを目の当たりにし看取るという経験は,やはり耐え難い経験である。その否定的な側面を十分に認め,それぞれの経験には多様性があること,そして一人の同じ人間であっても,時間や環境,当事者の心身の健康状態等によって,喪失経験後の受け止め方に変化が生じるということを理解しなければいけないことが示された。その上で,介護や死の看取りを経験することが,我々に生きるということを教えてくれると同時に,他者の危機を支えることで,自己の心にも成熟をもたらす可能性があり,ケアすることが意義あることであるという提案がなされた。
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