看護師を対象に、仕事と家庭の両立における問題を解決し最適なワークライフバランスを構築するため、仕事や生活スタイルの現状(勤務状況や意識、個人生活と役割)、心理的状態(疲労、ストレス)、職場環境(両立支援に対する理解、支援策運用状況)を把握し、仕事や家庭のストレスと問題解決に向けた支援策の検討と支援策の効果的な導入方法の検討から、具体的なワークライフバランスのとれた支援体制の開発のための基礎的情報の獲得を目的とする。 本年度は、首都圏にある総合病院に勤務する女性看護職従事者を対象とし、約150名に質問紙調査を行った。結果は、職場における円滑な人間関係が仕事のストレス軽減や充実感の増大につながり、相談できる上司がいる職場では、それらがより顕著であることがわかった。業務が複雑化し、多忙な中で患者一人ひとりに対し多くの時間を費やすことができない状況下で、看護技術や患者のこと気軽に相談できることが看護職へ充実感につながり、さらに職場全体が両立支援に理解を示すことにより、ワークライフバランスを保つことにつながることが明らかになった。 女性労働者の増加や子育て支援の必要性の背景にワークライフバランスのとれた環境整備が求められる時代になってきている。そのためには、職場でのコミュニケーションの取り方、上司の役割、相談体制のあり方、支援制度の周知徹底などの職場サポートを充実させるが必要であると考えられる。
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