研究概要 |
本年度は, 前年度に引き続き, 文献・資料を収集し, タイ, ポルトガル, マラッカで現地調査を実施した. 1. 前年度収集したデータから, (1)菓子の名称, (2)材料, (3)製法, (4)作られた時期, (5)作られた場所もしくは作った人, (6)用いられ方・場所, 様子(結婚式, クリスマスなど)などの各要素に分類し比較表を作成した. 2. タイ調査 : 2008年6月13日〜19日, アユタヤ王朝時代衰退からトンブリー王朝にかけて作られた菓子について, チュソングリチーン村(Santi SUWANNASARI氏), Sameta Cruz教会牧師,アユタヤ歴史研究センター所長, ポルガル大使館Pralom Boonsussamee氏よりヒヤリング調査を実施した. その結果, ターオトーンキープマー以外に, ポルトガル菓子を伝えた者がいることを突き止めた. また, トンブリー県でポルトガル由来菓子の製作工程を画像, 動画記録をした. 3. ポルトガル調査 : 2008年12月21日〜2009年1日5日ポルトガルのクリスマス, 正月の特有の菓子について, 種類, 製法について画像, 動画記録をした. またポルトガル国会図書館でポルトガル最古の料理書『Arte DECOZINHA』(1683)をコピーすることができた.また,地方の修道院の料理について関連資料, 文献を収集した. 4. マラッカ調査 : 2009年3月21日〜27日ポルトガル人村, Christian Church in Portuguese Square(ジョセフ・レオ氏), ポルトガル料理店(リスボン店主), 市場等でヒヤリング調査を行った. その結果, ポルトガル語は残るが由来する菓子はないという. しかし, ポルトガルのクリスマス菓子(Filhos)に類似した菓子(Pengusaha Makanan Ringan)をチャイナタウンでみることができた.
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