本研究は、黒毛豚の遺伝子解析および美味しさと遺伝子の関係について研究を行うことを大きな目的とした。その成果は、非常に困難を極め、特に遺伝子解析については、今まで我々が報告してきた、プライマー(PDR2)では目的の遺伝子を単一に増幅することができず、遺伝子解析については全てのサンプルで豚(学名:Sus scrofa)との相同性を示したが、それぞれの種について同定することができなかった。よってプライマーについては再度設計し直すことが今後の重要な課題となった。次に、遊離アミノ酸については、同じ種のサンプルについても、非常にばらつきがあった。唯一共通して言えることは、カルノシン含量は他の遊離アミノ酸より高い値を示していたことであった。カルノシンは近年アンチエージングとしても非常に注目を浴びている食品である。このことからも、黒毛豚肉は今後さらに価値が高まる食品になる可能性が高い。今回の期間では多くの成果を得ることができなかったが、今後の検討課題を多く得ることができた。最終的な目標は美味しさと遺伝子の関係を追求することであるため、今後もこの研究を続け、計画上行う予定であった解析の全てを明らかにし、さらなる発展に努めていきたいと考えている。
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