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2008 年度 実績報告書

加工・調理過程により生成された食品中メイラード反応生成物の定量および生理作用

研究課題

研究課題/領域番号 19700599
研究機関日本女子大学

研究代表者

山口 敬子  日本女子大学, 家政学部, 助手 (00440074)

キーワードメイラード反応 / タンパク質 / AGEs / アマドリ / 糖尿病
研究概要

メイラード反応生成物のなかには、疾病との関わりが深い物質がある。近年、特に注目されているのが生体内AGEs(advanced glycation end products)であり、老化や糖尿病の合併症を引き起こす因子であることが報告されている。そのため、食品中AGEsも生体内AGEsと同様に疾病の進展に関与する可能性が指摘されている。そこで本年度の研究では、(1)食品系メイラード反応生成物の消化・吸収についての検討、(2)食品系メイラード反応生成物の糖尿病における影響を解明した。
(1)食品系メイラード反応生成物の消化・吸収性
in vitroにおいて消化物の収量を量った結果、修飾β-ラクトグロブリンの消化性が未修飾のものよりも低下することが明らかとなった。HPLC分析をした結果、両者の検出パターンには差が認められた。一方、in vitroにおいて消化物の収量を量った結果、修飾β-ラクトグロブリンの消化性が未修飾のものよりも向上することが明らかとなった。投与60分後における消化物をHPLC分析した結果、未修飾には消化物が残存したが、修飾にはほぼ認められなかった。また、両者の検出パターンには差が認められた。以上の結果により、β-ラクトグロブリンは、修飾と未修飾ではペプチド結合の切断形式が異なることが推測された。また、in vitroにおいては、修飾は未修飾よりも速やかに消化・吸収されることが示唆された。
(2)食品系メイラード反応生成物の糖尿病における影響
血糖値及び糖化ヘモグロビンA_1cの値は両群に差がみられなかった。また、過酸化脂質の値も差がみられなかった。糖尿病合併症の進展においては、白内障の進行がコントロール群よりも糖化タンパク質群のほうが遅いことが明らかとなり、食品系メイラード反応生成物が生体において有害であるとは必ずしも断定できないことが示唆された。

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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