研究課題
平成22年度は、閉経健常ボランティアによる、緑茶カテキン摂取と運動療法が、骨密度と筋力増加に及ぼす効果を明らかにすることを目的とし、自主的に活動している運動同好会に参加している健康な閉経後女性を対象とした。研究の実施にあたり、本研究計画の主旨、その目的と方法について充分なインフォームドコンセントを行い、本人の意思確認と同意書を得た60~80歳代の女性12名を対象とした。緑茶カテキンの摂取方法としては、緑茶葉を熱湯で抽出後、飲用として用いるのではなく、緑茶カテキンが含まれるサプリメントを摂取した。サプリメントは、緑茶カテキンを含むものをアクティブ、緑茶カテキンが含まれないものをプラセボとした。対象者には、これまでと変わらない日常的な食事習慣と身体活動習慣を持続するよう促し、サプリメント摂取前の体組成、骨密度、身体活動量にアクティブ群(緑茶カテキン摂取群)およびプラセボ群(緑茶カテキン非摂取群)間に優位な差が認められないことを確認し、サプリメント摂取を開始した。サプリメント摂取90日後において、身体活動量に摂取前と摂取後の変化は認められなかった。一方、超音波骨内伝播速度(SOS)を用いた骨密度の測定結果は、アクティブ群で増加傾向が認められたが、プラセボ群との間に有意差はみられなかった。同様に、体組成結果からも筋力増加傾向は認められなかった。今回の結果から、緑茶カテキン摂取期間が90日と短かった可能性も否定できないため、より長期的な緑茶カテキン摂取後の有効性を明らかにしたいと考えている。
すべて 2010
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)
Phytother.Res.
巻: 24,Suppl 1 ページ: 120-122