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2008 年度 実績報告書

脳神経系の発生、構築、維持における必須脂肪酸の役割

研究課題

研究課題/領域番号 19700603
研究機関金城学院大学

研究代表者

宮澤 大介  金城学院大学, 薬学部, 助教 (70434553)

キーワード栄養学 / 細胞・組織 / 脂質 / 神経科学 / 脳・神経
研究概要

必須脂肪酸はリノール酸(LA、18 : 2m-6)、a-リノレン酸(ALA、18 : 3n-3)があり、これらは動物体内に取り込まれると、LAはアラキドン酸(AA、20 : 4n-6)に、ALAはエイコサペンタエン酸(EPA、20 : 5n-3)、ドコサヘキサエン酸(DHA、22 : 6m-6)に変換される。脳神経系は他の臓器、組織と比べてDHA含量が高く、重要な機能を担っていると考えられている。
雄性ICRマウス(5週齢)に5%のベニバナ油(High-LA)或いはシソ油(High-ALA)を添加した精製飼料を4週間与えた。脳(大脳皮質、線条体、海馬)の総脂質画分の脂肪酸組成をガスクロマトグラフを用いて測定した。大脳皮質のDHAはHigh-LA群では15.4%であるのに対しHigh-ALA群では18.4%と有意に高かった。線条体のDHAはHigh-LA群では11.3%であるのに対しHigh-ALA群では16.7%と有意に高かった。海馬のDHAはHigh-LA群では13.2%であるのに対しHigh-ALA群では15.8%で有意ではないがHigh-ALA群が高い傾向が見られた。
大脳皮質、線条体、海馬のBDNF量を測定したところ、大脳皮質では両群間に有意差は見られなかった。線条体ではHigh-LA群に対し、High-ALA群で有意に高かった。海馬においては両群間に有意差はないもののHigh-ALA群が高い傾向が見られた。
今回のように給餌期間が4ヶ月と短い場合、脂肪酸組成の変化は脳の領域において異なることが明らかとなった。今回の研究でもn-3系列脂肪酸が欠乏食で線条体のBDNF含量に低下していることから必須脂肪酸のn-6/n-3バランスが脳機能に影響を与えるメカニズムとしてBDNFが関与している可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] お茶を飲むと脂肪肝や肝障害を予防できる2009

    • 著者名/発表者名
      宮澤大介
    • 雑誌名

      ファルマシア 45

      ページ: 66-67

  • [雑誌論文] 飽和脂肪酸のどこが悪い--生活習慣病に対する飽和脂肪酸悪玉説の検証2008

    • 著者名/発表者名
      奥山治美
    • 雑誌名

      オレオサイエンス 8

      ページ: 421-428

  • [学会発表] 高脂肪コレステロール食における肝臓線維化への影響2009

    • 著者名/発表者名
      北森一哉
    • 学会等名
      第8回分子予防環境医学研究会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2009-01-24
  • [学会発表] 食餌脂肪酸のn-6/n-3比が線条体における神経栄養因子産生及びMAPK活性に及ぼす影響2008

    • 著者名/発表者名
      宮澤大介
    • 学会等名
      BMB2008(第31回日本分子生物学会年会・第81回日本生化学会大会合同大会)
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2008-12-12
  • [学会発表] 食餌脂肪酸のn-6/n-3バランスが線条体の神経栄養因子産生に及ぼす影響2008

    • 著者名/発表者名
      宮澤大介
    • 学会等名
      日本脂質栄養学会第17回大会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2008-09-06

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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