研究概要 |
電磁環境の大きな変化や生体影響が懸念される中、身の回りの静電磁界,超低周波(50/60Hz商用周波),ラジオ・テレビ放送波,マイクロ波,可視光線,紫外線などの超広帯域な電磁界・電磁波測定を通じた体験型電磁環境教育の検討を行うことが本研究の目的である.平成19年度は(1)身の回りの電磁界・電磁波の測定実験、(2)磁性機能材料の教材化、(3)電磁波簡易型測定装置の検討を行った。まず、それぞれの周波数帯について線源の検討を行い、測定するための測定機器を選定し、授業実践を考慮し測定方法の検討を行った。ラジオ・テレビ放送波、マイクロ波帯に関しては、普段生活で使用する機器からの電磁波を中心に検討を行い、特に、IHクッキングヒーター、PHS、コンピュータ(ノイズ)からの電磁波を対象とした測定実験については、その結果を学術論文で研究発表を行った。また、紫外線、放射線領域については、簡易型測定器及び簡易測定の方法の検討を行い、短期大学生に対し授業実践を行った。静電磁界,超低周波については、電源周りからのノイズ等、身の回りの電磁波、電磁界を中心に測定実験を検討し、授業での使用を目的にモジュール化を行い短期大学生に対し授業実践を行ったが、授業後の調査より興味を持ちにくい傾向にあることが分かった。今後、さらなる検討が必要である。工学系の先端技術を実験教材に生かすことで科学や環境問題に興味を向けさせる意図で、磁性材料の教材化に関する検討を行った。その中で、近年、携帯電話が使用するGHz帯で吸収を示す電波吸収体を使った電磁波吸収実験及び使用する吸収体の検討を行い、一定の成果が得られた。それについては学会発表を行った。
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