研究概要 |
平成19年度の研究成果として、論文誌2件(一本は投稿中)、国際会議発表2件、学術講演会1件、特許申請1件があった。また、eラーニング学会の論文奨励賞を受賞した。 研究成果の具体的な内容としては以下が挙げられる。 ・大学院学生のためのティーチング向上を目的とした授業実践の中で、本研究で提案したシステムが、効率的・効果的に授業能力を向上させるのに貢献できることを示した。例えば本システムは30分の模擬授業に対して3,4分で授業映像を用いた授業の振り返りを可能にし、システムの使用によって学生の学習は阻害されなかった。また、本システムを大学教員新任研修に使う方法も併せて示した。 ・本研究で提案したシステムを用いることで、学習者の記憶が高進することが示された。具体的には、学習者自身が「興味深い」と感じた点において、リモコンを用いてフィードバックを送ったグループは、送らなかったグループに対して、授業終了3ヶ月後のテストで、有意に高いスコアを記録することがわかった。 ・本研究で提案するシステムは、復習やeラーニングに対して効果的・効率的な授業映像コンテンツの作成が可能であることを示し、また、大人数講義における授業内コミュニケーションを促進する効果があることを示した。 これらの成果から導き出される本研究の意義は以下の2点である。本研究は特に新任教員やティーチングアシスタントに対して、効率的・効果的な教育改善の方法提供する。また、大人数講義における教員-学生間コミュニケーションや学生間コミュニケーションを促進すること、使いやすい復習教材を作成可能なことから、特に大人数講義や遠隔講義で、学習者と教員を支援することが可能となる。
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