• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

聴覚障害者のためのリアルタイム字幕呈示システムにおける最適情報呈示に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19700627
研究機関筑波技術大学

研究代表者

黒木 速人  筑波技術大学, 障害者高等教育研究支援センター, 特任助教 (00345159)

キーワード教育工学 / ユーザインタフェース / 障害者支援 / 音声認識 / 字幕 / ノンバーバル情報 / 認知科学 / 情報工学
研究概要

音声認識を用いたリアルタイム字幕呈示システムの研究を行っている.現状では精度100%の字幕の生成は困難であり,字幕には誤認識を含む不完全な文章になる.しかしながら重要なのは伝達内容に対する理解を100%に近づけることであり,そのためには不完全部分を補うための情報を最適に呈示することが重要となる.
本年度は,次の2つの小項目に関し初期検討を行った.
不完全な文に対し話者の顔などのノンバーバル情報の活用による効果とその最適表示の方法
1ノンバーバル情報として顔のどの領域を呈示するのが良いか.
2ノンバーバル情報と字幕との呈示タイミングをどう制御するのが良いか.
1では,不完全文からなる字幕のみの呈示(字幕のみ)を基準として,不完全文に対し話者の発話時の顔全体映像を付加した場合(字幕+顔),同状態における口元近接映像を付加した場合(字幕+口元)の3種で比較した.完全文(正解文)に対する回答文の正答率を文理解の向上の指標として健聴者と聴覚障害者に対し実験を行った結果,いずれの被験者群においても正答率は,「字幕のみ」<「字幕+顔」<「字幕+口元」となる傾向を示した.このことからノンバーバル情報を付加することで文理解が向上する傾向が確認された.聴覚障害者における傾向では統計的有意差が確認された.
2では,ノンバーバル情報として話者の発話時の顔全体映像を用い,ノンバーバル情報に対して不完全文の呈示に時差(-5秒〜+5秒)を設けた試料に対し,いずれの時差が文理解の向上に貢献するかを比較した.先の実験と同様に正答率を聴覚障害者と健聴者で求めた結果,正答率は時差なし(±0秒)ではあまり向上が認められず,字幕先行側に1秒ずらした場合(-1秒(字幕先行1秒))が高くなる傾向を示した.また字幕先行側に外れるほど正答率が単調増加する傾向を示した.これらの傾向は,少ない被験者ながら聴覚障害者・健聴者を問わず確認された.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] アメリカにおける聴覚障害者のための文字による情報保障技術に関する報告2008

    • 著者名/発表者名
      黒木速人
    • 雑誌名

      筑波技術大学テクノレポート 15

      ページ: 181-185

  • [雑誌論文] 音声同時字幕システムにおける内容理解の向上を目的とした話者の顔情報の呈示方法2007

    • 著者名/発表者名
      黒木速人
    • 雑誌名

      ヒューマンインタフェース学会論文誌 9

      ページ: 205-212

    • 査読あり
  • [学会発表] Effective Timing of Displaying Speaker's Face and Captions to Achieve Higher Comprehension2008

    • 著者名/発表者名
      H. KUROKI
    • 学会等名
      23rd Annual International Technology and Persons with Disabilities Conference (CSUN2008)
    • 発表場所
      Los Angeles, USA
    • 年月日
      2008-03-14

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi