研究概要 |
本研究は, 申請者がこれまでに開発してきた「授業設計訓練システム」に「授業シミュレーション」と「教授活動ゲーム」の機能を統合し, 教員養成系大学学部において, 実習活動に向けての大学講義での授業設計訓練指導や, 実習先の指導者との授業研究のために, どこからでもインターネットを通して利用可能な「誤り・つまずき分析支援システム」を開発し, 実践を通してその有用性を検証することを目指す。本年度は, 特に計画していた次の2点について一定の成果を得た。 (1)授業設計訓練システムによって作成された指導案に基づいて, 自動的に授業場面アニメーションを生成できる機能を実現した。具体的には, アニメーション生成エンジンとしてTVMLを用いて, 指導案作成後に, 自動的にTVMLスクリプトを生成してTVMLプレーヤーによって再生できる。また, 提示教材についてはPowerPoint等のスライドを画像に落としたものをリンクして, アニメーション内の黒板に表示できるようにした。 (2)実際に, 本システムを用いて, 5名の大学生に使用してもらい, 使用感, ユーザビリティについて評価を行った。その結果, 従来の指導案作成の作業に対して特に負荷が増える事なく, アニメーションの視聴が可能になった。 本年度は, 開発, 検証のタイミングが合わず, この後, 実際の教員養成課程の授業で使用することができなかったが, 教員向けの研修で, ビデオ映像とアニメーションを組み合わせた授業研究を行う機会があった。そこでは, 文字だけの指導案に比べて具体的に授業の様子をイメージしやすく誤り, つまづきの分析にもつながった, といった報告があり, 本研究の目指す機能の有用性, 妥当性が示唆された。この研究の内容についてはSITE2009において発表を行った。
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