研究概要 |
近年の経済・社会のグローバル化の影響を受け、実践的な英語能力への関心が日増しに高まってきている。その影響から、ビジネス英語教育の現場では文法・語彙・読解といった教養的な英語教育だけではなく, 聴解・発話といった実践的なコミュニケーション教育が実施されてきている。 本研究では、企業に勤務する社会人が継続的にリスニング学習を進めることのできる「モバイル英語リスニング学習システム」の実証実験(評価)を行った。本システムは、学習者の英語利用文脈に即したリスニング・スクリプト(真正性の高い教材)を素材とした学習が可能になる、という特徴をもっている。学習者は、自社の将来の事業展開のストーリーなど、自らが英語を利用する可能性の高い文脈においてリスニング学習を行える。 評価実験は、英語教材の真正性の学習効果を測定することを目的とした。収集したデータは、サーバ等に格納された各種のログデータ、プレポストテストの結果(実践の事前事後の群間比較)、学習の有効性に関する質問紙調査等(実証実験直後と、2ヶ月後の遅延をおいて2度測定した)である。 実証実験の結果、プレテスト・ポストテストで測定される学習効果の差に関して、真正性の高い群、低い群で差はなかった。両者ともにプレポスト間に優位な差が認められた。 業務における有効性の期待度と, 2ヶ月後に実際の業務における有効性については、真正性の高い教材の方が、優位な効果を認められた。 現在、同内容に関して、海外雑誌に投稿し、審査を受けている。
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