研究概要 |
高等教育におけるブレンディッドラーニング型プロジェクト学習において,より内容面に踏み込んだ創発的分業を支援することを目的として,分業状況に加えて,個々の学習者の作業内容を相互に把握可能にするソフトウェアを開発する.これにより,主に対面機会で相互の作業内容把握の増進をはかるとともに,分散環境においても作業進行の質的な見直しを促進することを目指す. 学習者が相互に作業内容をリアルタイムに把握できるようにすることで,ブレンディッドラーニング環境における創発的分業が,質的な側面でより柔軟かつ十分実現できることを実証的に明らかにすることが本研究の目的である. 平成19年度の研究では,これらの研究課題について以下の成果が得られた. 1 協調学習場面において,学習者間が相互に状況把握をし,また状況把握をされていることを確認可能にすることにより,相互評価懸念による社会的促進をもたらすことを理論的かつ実証的に明らかにした.この知見は,協調学習場面のみならず,さまざまな学習場面における学習活動促進に効果的と考えられる. 2 主に情報教室における相互のリアルタイムな作業内容把握をはかるために,コンピュータの作業内容を相互モニタリング可能にするシステムの設計を行い,その仕様およびデザインを策定した.このソフトウェアはWebグループウェアProBoと連携して動作するように設計されている. これらの成果は,学会論文誌(主著1本)ほか国内外における複数め発表に集約して公表した.
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