研究概要 |
本研究の目的は,高等教育機関で行われているプログラミング教育を対象にし,いつでもどこでもシームレスに学習が可能なe-learningシステムを構築することである.平成21年度では,従来のe-learningシステムと平成20年度に獲得したコンテキストを収集する機能を組み合わせて機能拡張を行った. 具体的には,講義とプログラミング実習を組み合わせた授業を対象に,講師の振る舞い,スライド,受講者の様子,受講者の端末状況を獲得する複合型授業アーカイブシステムの構築を行った.本研究で提案したシステムで得られた授業アーカイブは,講師映像,スライド,各受講者の端末画面が時間に同期して再生可能である.このため,各受講者は自分自身の端末情報を個別に閲覧できる必要がある. そこで,本研究では,コース管理システム(CMS)のユーザ認証と連携させることで,CMS内から受講者自身の授業アーカイブを閲覧することが可能となった.このような授業アーカイブは,受講者は復習教材として,講師は授業改善として利用することができる. さらに,プログラミング実習時においては,受講者の端末情報を獲得し,得られた端末情報の中から、アクティブウィンドウの遷移に着目し,プログラミング実習中の学習状態を可視化するとともに,遷移状態をもとに学習者の学習評価を行った.このシステムの成果は,プログラミング実習において,講師が学習状況を的確に把握することができ,実習内容の改善にも利用することが可能である.
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