研究概要 |
1. 本研究は, 画像化音声を用いた外国語発話訓練システムの開発を目的とし, 平成20年度は以下の点に重点を置いて研究を行った。 (1)日本語発話学習者による発話訓練システムの評価 (2)プロソディ特徴量のリアルタイム推定 2. 遂行状況 (1)前年度に構築した学習システムを用い, 発話学習者による評価を行った。前年度からの検討事項であった英語音素を出力するニューラルネットは推定精度に改善が難しいと判断し, 同時に作成していた日本語音素を抽出するニューラルネットを用い, 日本語非母語話者である外国人にターゲットを絞りシステム評価を行った。訓練者がシステムを利用した感想である主観評価, 訓練前後に録音された音声を日本人話者が評価する客観評価ともに訓練システムの有用性が示された。また, 日本語習得の際に外国人が最も不得意とする特殊拍(促音, 撥音, 長音)について, 直感的な違いが分かり易いとの評価が得られた。 (2)言語には特有の発話タイミング(スピードやリズム)があり, 外国語学習の壁の一つであり, (1)の発話訓練でも同様の問題が生じた。そこで, 訓練システムに発話スピードを示すモーラ速度情報を付加してフィードバックすることが訓練効率を高めると考え, そのリアルタイム抽出について検討した。リアルタイム訓練システムに用いられる音響特徴パラメータを利用することで, 大まかなモーラ速度を求めることができたが, 言語特有の構音規則を考慮することで, さらに詳細な推定を行う必要があると考えられる。
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