研究概要 |
本研究では、学習者が自らの英語力を客観的に把握し、自らが掲げた目標に向かって、自律的に英語学習に取り組むことを支援するツールとして、eポートフォリオを開発する。eポートフォリオは、診断モジュールと学習支援モジュールから成る。診断モジュールでは、英語運用能力の自己診断アンケート結果を基に自動的に学習者個々の目標コンピテンシー(目標とする英語能力)を提示する。一方、学習支援モジュールでは、自分の足りないコンピテンシーを身につけるためにはどのように英語を学習すべきかをアドバイスしたり、必要な学習教材を提供したりする。 平成19年度は診断モジュールの構築、特にCommon European Framework of Reference for Languages: Learning, Teaching, Assessment (CEFR)の指標に基づき、学習者が自分の英語力を自己診断するアンケートシステムの開発に中心的に取り組んだ。このシステムの特徴は、以下の通りである。 (1)CEFRの指標に基づき、listening(聴くこと)、reading(読むこと)、spoken(話すこと)、writing(書くこと)、quality(言葉の質)、strategies(使い方)について6段階のレベル表示を行なう (2)過去に受けたアンケート結果も表示され、以前と比べてどのように自己診断が異なっているかを確認することができる (3)次のレベルでは英語でどのようなことができるのかを表示し、学習者個々の到達目標を明確にさせる (4)CASECやTOEIC-IP等のスコアに対応してどのような英語運用能力があるのかをコンピテンシーマップにマッピングする。この機能の目的としては、自己判断との差を見て自分の弱点を把握し、自習を進める上で注意したい点、中心的に学習したい点を明らかにすることである
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